創作詩 もしもわたしが死んだなら/雨の夜に

もしもわたしが死んだなら

「あたたかいのね」と、君は笑う

手を握り、指をからめる仕草

指先から伝わる体温に、何度も救われた

揺れる髪に触れたかった

空の底に立つ君に呼びかける。「そばにいて」

わたしの声は風にさらわれた

夢ですら会えないのは、悲しいことね

もしもわたしが死んだなら

わたしの手を握って下さい

君の体温で、あたためて欲しいから

雨の夜に

雨音の中に、エンジンの音

それでも行くと、君は言った

奪われたものは帰ってこないけど

わたしは今日も君を待つ

窓に伝う雫を拭えば

濡れた指が君を思い出す

終わらない悲しみも

心に刻まれた面影も

この雨が洗い流してくれればいい

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