ドストエフスキーの「地下室の手記」を読んだので感想を書きます

こんにちは。ばんばんです。

ドストエフスキーの「地下室の手記」を読んだので感想を書きます。

地下室の手記ってどんな作品?

「地下室の手記」は1864年に発表された作品です。

ドストエフスキーといえば、「悪霊」「罪と罰」「白痴」「カラマーゾフの兄弟」「未成年」の五大長編が有名です。

それらの前に書かれたのが「地下室の手記」です。ドストエフスキーの転換点ともいえる作品で、「ドストエフスキーの謎を解くカギ」ともいわれています。

内容は2つに分かれています。

第一部 地下室

最初の「地下室」という章は、小説というよりは評論です。

主人公は役人だったのですが、親せきの遺産を相続したことにより退職。働いていた時の話を交えて社会への不満をひたすら語ります。

この評論がもうすごい。「美にして崇高なるもの」とか、「僕は卑劣漢にすらなれない」とか、よくわからない独白が延々と続きます。

文庫本で80ページくらいは続きます。第2部からが物語になっているのでそこから読んだほうがいいかもしれません。

第二部 ぼた雪にちなんで

第二部からが小説調になっています。大きく分けて3つの場面になります。

将校との戦争

飲み屋で出会った将校とけんかをして、暴露小説を書いたりします。

主人公のほうでは将校と争っているつもりなのですが、全く相手にされていません。

それでも延々と誹謗中傷を続ける主人公。身につまされる人もいるかもしれません……。

友人の集まりに出席する

学生時代の友人の送迎会に、呼ばれてもいないのに出席します。

当然煙たがられますが、しつこく居座り、最後には金をせびる始末。呆れられます。

同級生にも歯牙にもかけられていない様子が哀れです。

レストランでの会話の場面では、偉い人と親戚なのを誇る友人や将校の肩章をありがたがる様子を皮肉ります。こういった風刺じみた描写は共感する人が多いでしょう。

売春宿でリーザと出会う

本作の見どころです。友人について売春宿に言った主人公は、リーザという少女に出会います。

不幸な生い立ちをにおわせる彼女に、主人公はお説教をします。

リーザは家庭環境が不幸だったことをにおわせ、主人公は崇高な理想を語ります。説教じみたことを言いますが、主人公の内心は自意識で膨れ上がっています。それでもリーザは主人公の話に感激し、家を訪ねると約束します。

リーザとのやり取り自体が短編小説になっているので、どうしても読書が苦手という方はここだけ読んでみてもいいですね

「地下室の手記」をおすすめする理由

こちらの記事でも書いてますが、「地下室の手記」をおすすめする理由を改めて書いておきます。

告白体なので読みやすい

この作品は主人公の独白体なので、読みやすいです。

「カラマーゾフの兄弟」は1500ページ以上ありますが、「地下室の手記」は250ページくらいとお手軽なのでおすすめするのです。

話が分かりやすい

ドストエフスキーの作品は異常なまでに服装や建物の描写にこだわり、話が脱線することもあります。

「地下室の手記」はそういったことがなく、あらすじを要約すると「ひねくれものの独白」です。

滑稽な場面が多いですが、いいセリフもあるので、そういった部分でも価値のある作品ですね。有名な一節を引用します。

「なら、死んでやるわ」

(中略)

「でも、かわいそうだな」

「だれが?」

「人間ひとりの生命がさ」

出典 「地下室の手記」 新潮文庫 169,170ページ

まとめ

「地下室の手記」はこんな作品。

  • ドストエフスキーの謎を解くカギとなる作品
  • 告白体なので読みやすい
  • 滑稽なシーンもあるが、いいセリフも多い
  • 話が分かりやすい


 

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